地図とコンパスの正しい使い方について考える
山行の安全にとって最も大切なこと、それは、"現在位置の確認"作業を決しておろそかにしないことである。そのために必須のツールとして、二万五千分1地形図(国土地理院)と回転盤付きオリエンテーリング用コンパス(シルバ社製など)の二つがあげられる。
山に入ったなら、地図の上で自分は今およそどの辺りにいるのかを知り、さらに、どの方向に進もうとしているのかを常に考えながら行動することが大切だ。その上で、必要に応じて現在位置をきちんと確定しながら進まなければならない。地図とコンパスは、こうした作業をするために必要不可欠かつ簡便な道具である。この二つをセットで使いこなすことによって、山行は限りなく安全で楽しいものとなるだろう。
著者の肩書をみると、海上保安大学校名誉教授とある。海事の専門家らしく、現在位置の確認のために、"位置の線"(現在位置はこの線上のどこかにあるはず)という考え方を取り入れて、コンパスの操作方法および地形図上での作図方法について、懇切丁寧に説明している。
現在の国土地理院地形図は航空写真を元に作成されており、等高線に関してはほぼ完璧に信頼できるレベルに達している。それと比べて、登山道はかなり正確さに欠ける場合が多い。森の中は空中写真には写らないため、細い山道まで把握することが困難なためだ。そこで地図とコンパスを持ち、山の地形を全身で感受しながら歩くことによって、登山道の微妙なズレをもしっかり把握できるようになれば、ますます安全で楽しい山行となることだろう。本書を熟読することによって、独学でもその入口に立つことがきっとできる。
あまりにも否定的すぎないか?
前半の、入門や練習については一般的な情報やトレーニングの仕方が説明されており気持ちよく読めたのですが、3章「地図の詳細」あたりから(特に北上式の説明)から読む気が一気に萎えてしまいました。上級者としての地図の読み方について著者が良いと思われることを書かれるのは良いのですが、それご自身が信じる方式以外については不必要に否定的な書き方、、、これ以上は一度ご自身の目でお読みになって判断されてください。あまり尊敬して読める本ではありませんでした。勉強するという以前にその気持ちが萎えてしまう本でした。
成山堂書店
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