光文社のミステリ雑誌『ジャーロ』に掲載されたなかから12篇を選び出して一冊にまとめたもの。タイトルにあるように、私立探偵を主人公とした短篇が集められている。 パレツキーのV. I. ウォーショースキー、E. D. ホックのサム・ホーソーン、S. J. ローザンのリディア・チンとビル・スミスなど、お馴染みのキャラクターも収められている。 凝ったプロットの作品が目に付いた。ひねりすぎたり、意外性を出そうとして失敗しているものもあるが、ローザン「十一時のフィルム」などは面白かった。 私立探偵という不安定で弱い立場を巧みに描いた作品も多く、そこそこ、楽しめた。 探偵小説を読むのはやめられない