「100年もつ家を建てるには?」という観点から読みました
「100年もつ家を建てるには?」と考えたとき、躯体がもつこととともに、この先100年の間の生活スタイルの変化に(簡単なリフォーム程度で)順応できることが重要と考え、その参考に過去100年の生活スタイルとともに変化してきた間取りを知りたいと思って購入しました。
過去100年の間には、電気・ガス・水道などのインフラ面の大きな変化があり、家事負担の占める割合や家族構成・仕事の有り様・生活スタイルなども大きく変わってきました。紹介されているのはその時代時代の平均的な間取りで、確かにそれぞれの時代の生活スタイルに応じて間取りが大きく変わってきていることが分かります。
ただ、過去の家はあまり先を考えて建てられたものはなく(せいぜい1世代分くらい)、そこからこの先100年の生活スタイルの変化に耐えうる家づくりを考えるのは簡単ではないなと思いました。この本の中にも、古民家再生やこれからの家づくりということでそうした観点からの記述が最後にありますが、締めとして書いてある感じで、あまり深く掘り下げられてはいないのがちょっと残念でした。しかしまず過去を知るという点では一読の価値ありだとおもいます。
民家の間取りがざっと百年わかる本
明治中期からの民家の間取りがざっと100年がわかる本。
ふんだんに間取り図が挿入されていて、その時代のインテリアの
イラストもその間取りに描かれていてわかりやすいとおもいます。
ただ、読み応えとしては、もう少し時代的背景や地域の特性・
その家の使い手の特徴などを落としこんでいればよいかと思い
ます。
これぞ真の近代日本・生活史!
まず資料性の高さ、紹介された間取りのラインナップの充実ぶりに圧倒される。 ここ百年の日本の典型的な間取りを時代背景とともにおっているのだが、明治村に保存されるような洋館や高名建築家による名作ではなく、あくまでも普通の人が暮らした家家が基本になっている点がこの本の特色であり意義深いところ。庄屋さんの家、長野県の農家などの日本民家。都営住宅、ハウスメーカーによる戸建て。いずれも、住人がどういった配置で眠っていたか、便器の形状や、暮らしに影響を与えた家電・生活用品とともに、その間取りの使われ方まで内容は及んでいる。 また、戦後の復興時期に建てられた応急住宅、防空壕を使った住居、同潤会アパート、池辺陽氏の立体最小限住宅などなど、時代の必然性や理想を映して生まれた間取りなどなど、とにかくバリエーションが豊富なのだ。 建築の専門書を読むほどではないが、住宅や間取りに興味はしんしん、ただしおしゃれなインテリア雑誌や小手先のリフォーム雑誌には違和感や物足りなさを感じる…そんな人(まさにこの私)にはぴったり。 『建築』というカテゴリーに置くのはもったいない。ここ百年、日本人がいかに生きてきたかを語る貴重な資料だと思う。これから家を建てる人にとっても、たくさんのヒントが詰まっていると感じる。
ちょっと物足りない?
間取り図を順繰りにずーっと見ていくのは、なかなか楽しい。
それだけでもライフスタイルの変化が見えるので面白いです。
欲を言えば、もう少し時代背景などの突っ込んだ説明が欲しかった。
もしそうだったら、建築史だけじゃなくて文化史としても、もっと楽しめたと思う。
テーマが面白いだけに、ちょっと残念です。
彰国社
納得の間取り 日本人の知恵袋―日本人らしい生活空間とは (講談社新書) 「間取り」の世界地図暮らしの知恵としきたり (青春新書) 「間取り」で楽しむ住宅読本 (光文社新書) 民家に学ぶ家づくり (平凡社新書) 日本vs西洋 建築の「かたち」が決まる理由―空間の謎を解く
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